症例報告
17歳に発症した典型的なintrapapillary hemorrhage with adjacent peripapillary subretinal hemorrhage(IHAPSH)の1例
田邉 智子
1
,
森 文彦
2
,
江口 秀一郎
2
1だるま眼科(高崎市)
2江口眼科病院(函館市)
キーワード:
IHAPSH
,
視神経乳頭部出血
,
網膜下出血
,
近視眼
,
後部硝子体剥離
,
自然軽快
Keyword:
IHAPSH
,
視神経乳頭部出血
,
網膜下出血
,
近視眼
,
後部硝子体剥離
,
自然軽快
pp.1363-1366
発行日 2020年11月5日
Published Date 2020/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001921
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今回我々は17歳に発症した典型的なintrapapillary hemorrhage with adjacent peripapillary subretinal hemorrhage(IHAPSH)の1例を経験した。症例は17歳女性。主訴は左眼の飛蚊症。前日から突然左眼の飛蚊症を自覚し,江口眼科病院を受診した。初診時所見は右眼視力0.07(1.5×−2.50D),左眼視力0.05(1.2×−3.50D),左眼底は視神経乳頭部の出血と視神経乳頭の上鼻側の網膜下出血,硝子体出血を認めた。その後出血は吸収し,再発はなかった。本症例では①視神経乳頭部からの出血。②近視眼。③視神経乳頭の上方,鼻側に網膜下出血。④発症が急性であり,視力予後が良好。⑤再発がみられない。⑥17歳で,日本人。⑦基礎疾患を伴わない。と,ほぼすべてがIHAPSHに合致したことから,診断された。IHAPSHは本邦でも報告されているが,10歳代の報告は少なく,広く認知されているとはいえない。その意味でも,今後も症例の積み重ねが必要であると考えられる。
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