白内障手術のトラブルシューティング
5.術中虹彩緊張低下症
田中 才一
1
1和歌山県立医科大学くろしお寄付講座
pp.691-693
発行日 2020年7月5日
Published Date 2020/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001730
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白内障に限らず,手術に備えて内服薬の内容確認は重要である。術中虹彩緊張低下症(IFIS)は,2005年にChangらが,超音波白内障手術中「水流による虹彩のうねり」,「虹彩脱出・嵌頓」,「進行性の縮瞳」の3主徴(表1)を生じるものと報告しており,前立腺肥大症に対する排尿改善剤α1遮断薬を服用している患者に発症するといわれている。発症頻度はわが国では1%といわれており,特にα1A受容体選択性ブロッカーを内服している患者で発症頻度が高く,約40~60%で発症すると指摘されている。本邦でも複数の排尿障害改善薬が市販されているが,タムスロシン塩酸塩,ナフトピジル,シロドシンが特にIFISを起こす可能性が高いといわれている1)~4)。
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