今月の表紙
無虹彩症
和田 裕靖
1
,
坂本 泰二
2
1藤原眼科
2鹿児島大学
pp.128
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211211
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症例は4歳,女児。3歳児検診時は気づかなかった。母親は目のクリッとした綺麗な子だと思い病識がなかった。2013年6月に保育園の先生より眩しがるので眼科受診を勧められ近医で両眼無虹彩症の診断をされるが,再検査のために同年7月に当院受診となった。視力は,Cyplegin® 1%2回点眼による散瞳負荷試験を施行し,右0.1(0.3),左0.1(0.3),両眼,等価球面度数+4.0Dの遠視性乱視で,眼圧は,右14mmHg,左13mmHg。非接触型スペキュラー測定では,右3,248 cells/mm2,左3,572 cells/mm2。眼位は虹彩がなくわかりにくいが内斜視様。眼球運動は正常で眼振は確認されなかった。右眼の角膜6時方向にパンヌスが確認されるも,両眼ともに中間透光体および後極部に特記する所見はなかった。また,Wilms腫瘍など全身の合併症もなかった。
現在は弱視に対する屈折矯正と,羞明感に対するケアとして東海光学のフィルターレンズCCP400(カラー:FL)でオーバーグラスを作製し,経過観察中である。今後は女児の発達障害や重複障害の有無を観察しながら,母親と相談し近隣の盲学校への紹介も検討している。
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