特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅱ 白内障・屈折矯正 4 術中虹彩緊張低下症候群
四倉 絵里沙
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.963-967
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003293
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術中虹彩緊張低下症候群(intraoperative floppy iris syndrome:IFIS)は,Changら1)によって2005年に初めて提唱された白内障手術中の合併症で,「灌流液による虹彩のうねり」「虹彩脱出・嵌頓」「進行性の縮瞳」の3徴を生じる症候群である。IFISはその重症度によって分類され,前述の3徴すべてを認める場合を完全型“severe”とし,3徴のうちひとつでも欠けた場合は不完全型とする。さらに不完全型のなかで「灌流液による虹彩のうねり」と「進行性の縮瞳」は認めるが,「虹彩脱出・嵌頓」の傾向が弱いものをmild,「灌流液による虹彩のうねり」は認めるものの,「進行性の縮瞳」を認めない,もしくは程度が弱い,また,「虹彩脱出・嵌頓」を認めないものをmoderateと分類2)する(表1)。
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