特集 生物製剤によるぶどう膜炎の治療
5 (ぶどう膜)強膜炎に対する生物学的製剤による治療
浅尾 和伸
1
,
橋田 徳康
1
1大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学)
キーワード:
アダリムマブ
,
インフリキシマブ
,
関節リウマチ
,
強膜炎
,
生物学的製剤
,
TNF阻害薬
Keyword:
アダリムマブ
,
インフリキシマブ
,
関節リウマチ
,
強膜炎
,
生物学的製剤
,
TNF阻害薬
pp.567-572
発行日 2020年6月5日
Published Date 2020/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001696
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「強膜炎」といっても,この表現のなかには原因別による分類(感染性・非感染性)・発症部位ごとの分類(前部または後部強膜炎)などさまざまな病態が含まれている。さらに,数多くの異なるぶどう膜炎症状の一表現系として強膜炎が出現するので,疾患の定義が実は難しいのが現状である。実臨床では,強膜血管の充血・拡張だけでなく,さまざまな臨床所見・全身所見などを加味して診断をつけ,原因となる疾患・病態を十分把握した後,適切な治療を心掛ける必要がある1)2)。強膜炎に対する治療だけでなく,近年,ぶどう膜炎に対する治療に関して従来のステロイド治療に加えて,免疫抑制剤や生物学的製剤が使用できるようになり大きく治療の選択肢が広がってきた。なかでも生物学的製剤に関して,2007年に本邦で保険適用となった腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)阻害薬であるインフリキシマブ(レミケードⓇ),2016年に保険適用になったアダリムマブ(ヒュミラⓇ)の使用により,ぶどう膜炎治療は大きくパラダイムシフトしてきている。本稿では,この生物学的製剤の強膜(ぶどう膜)炎に対する治療に関して,最近の知見を中心として解説する。
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