綜説
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における眼症状・眼所見
鈴木 崇
1
1東邦大学医療センター大森病院眼科
キーワード:
COVID-19
,
ウイルス
,
結膜炎
,
PCR
,
SARS-CoV-2
Keyword:
COVID-19
,
ウイルス
,
結膜炎
,
PCR
,
SARS-CoV-2
pp.575-578
発行日 2020年6月5日
Published Date 2020/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001697
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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は,中国・武漢での感染の報告以来,日本を含む世界全体に拡散し,多くの感染者,死者が報告されており,医療面のみならず,経済面や社会面など多く場所で,多大な影響を与えている。この原稿を作成している2020年5月中旬の状況では,日本での感染者数は減少傾向を示しており,若干の安心感が広がっているが,COVID-19の第2波,第3波がいつ発症してもおかしくなく,日本国民がこの感染症に向き合いながら生活を行う時期は長期間になる可能性が高い。眼科においても,COVID-19発症前後に結膜炎を認めることが報告されたり,結膜や眼部からウイルスに感染するとの推測もされたりしており,眼科医療に携わる医師のみならずコメディカルも,COVID-19における眼部への影響を理解しておく必要がある。しかしながら,まだ感染症発症から期間も少なく,眼部における影響については,一定の見解は得られていない。ただ,報告例を含む論文は日々報告されているため,それらの論文の概要について知っておくことは重要である。この綜説では,「COVID-19における結膜炎報告例(眼症状・眼所見)」「COVID-19における眼症状の発症率」「COVID-19の眼からの感染経路」の3つについて,2020年5月時点のPubMed収載論文(印刷前の電子論文を含む。査読のないプレプリントを掲載する雑誌に関しては今回除外した)を中心に,紹介,解説する。ただし,COVID-19の情報は日々UPDATEされており,論文内容の真偽については,今後,新しい発見により変わり得ることを理解してほしい。
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