原著論文
網膜中心動脈閉塞症眼のレーザースペックルフローグラフィの有用性の検討
曽我 直樹
1
,
田中 慎
1
,
山根 真
1
,
井上 麻衣子
1
,
門之園 一明
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 視覚再生外科
キーワード:
網膜中心動脈閉塞症
,
レーザースペックルフローグラフィ
,
蛍光眼底造影検査
,
網膜内循環時間
,
MV-MT
,
logMAR
,
central retinal artery occlusion
,
laser speckle flowgraphy
,
fluorescein angiography
,
retinal circulation time
Keyword:
網膜中心動脈閉塞症
,
レーザースペックルフローグラフィ
,
蛍光眼底造影検査
,
網膜内循環時間
,
MV-MT
,
logMAR
,
central retinal artery occlusion
,
laser speckle flowgraphy
,
fluorescein angiography
,
retinal circulation time
pp.503-509
発行日 2020年5月5日
Published Date 2020/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001662
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目的
網膜中心動脈閉塞症(CRAO)の網膜内循環時間の測定におけるレーザースペックルフローグラフィ(LSFG)の有用性を検討する。
対象および方法
横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科において2015年5月から2019年2月までにCRAOと診断された患者28例28眼(男性22例22眼,女性6例6眼,平均年齢74.0±10.6歳)を対象とした。フルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)を用いて網膜内循環時間(RC time)を測定した。また,LSFGを用いてCRAOと診断された患者の視神経乳頭部の血流値(MBR)を乳頭部血管成分(MV),乳頭部組織成分(MT)の各血流値に分類し,MV-MTを測定した。また,MV-MT,RC time,最高矯正視力(logMAR)との関連性も検討した。統計にはSpearmanの順位相関行列を用い,P<0.05を統計学的有意とした。
結果
MV-MT,RC timeおよびlogMARの平均値は,それぞれ7.7±5.9,194.8±231.7秒,2.0±0.8であった。MV-MTとRC timeとの間に有意な相関があった(r=−0.65,P<0.001)。また,LogMARとMV-MT(r=−0.49,P=0.03),LogMARとRC time(r=0.43,P=0.02)の間にも有意な相関がみられた。
結論
CRAO眼のLSFGの測定は,安全かつ簡便に行うことができる。LSFGはCRAO眼の循環時間の評価の有用な手段となり得る。
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