原著論文
線維柱帯切除術前後の乳頭および黄斑部血管密度変化:パイロットスタディ
飯田 純也
1
,
榎本 暢子
1
,
石田 恭子
1
,
内匠 哲郎
1
,
安楽 礼子
1
,
富田 剛司
1
1東邦大学医療センター大橋病院眼科
キーワード:
線維柱帯切除術
,
乳頭部血管密度
,
黄斑部血管密度
,
BMO-MRW
,
乳頭周囲網膜神経線維層厚
,
黄斑部内層厚
Keyword:
線維柱帯切除術
,
乳頭部血管密度
,
黄斑部血管密度
,
BMO-MRW
,
乳頭周囲網膜神経線維層厚
,
黄斑部内層厚
pp.391-398
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001626
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目的
線維柱帯切除術(TLE)前後の乳頭および黄斑部血管密度の変化と,変化率に関与する因子を検討すること。
対象と方法
対象はTLEを施行した11例11眼。OCT angiographyで測定した術前と術後3か月目の乳頭部血管密度(①whole en face値,②peripapillary値)および黄斑部血管密度(①whole en face値,②parafovea値),スペクトラルドメイン(SD)-OCTで測定したBruch膜開口端から内境界膜までの最小リム幅(BMO-MRW),乳頭周囲網膜神経線維層厚(cpRNFLT),黄斑部網膜内層厚(IMT)の変化を比較検討し,各血管密度の変化率に関与する因子を重回帰分析で検討した。
結果
眼圧は術前平均22.82から12.73mmHgへ有意に下降した(P=0.003)。OCT angiographyで測定した乳頭および黄斑部の血管密度は有意な変化を認めなかった。また,BMO-MRW,IMTは有意に増加したが(P=0.016,P=0.042),cpRNFLTは有意な変化を認めなかった。重回帰分析では黄斑部whole en face変化率に対してIMT変化率(P=0.072),cpRNFLT変化率(P=0.052)が目的変数として有意な傾向を認めた。
結論
TLE術前後で乳頭および黄斑部の血管密度に有意な変化を認めなかったが,一部の構造因子の変化は黄斑部血管密度の変化と関連する傾向があった。
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