特集 緑内障診断のためのOCT読影
2 黄斑部内層厚の評価
北 善幸
1
1杏林大学医学部眼科学教室
キーワード:
緑内障
,
光干渉断層計
,
黄斑部内層厚
Keyword:
緑内障
,
光干渉断層計
,
黄斑部内層厚
pp.9-20
発行日 2019年1月5日
Published Date 2019/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001013
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緑内障の本態は,網膜神経節細胞死によって導かれる進行性の眼底の構造変化であり,黄斑部には網膜神経節細胞の約50%が存在するため,黄斑部の評価は緑内障の検出に重要である1)。つまり,緑内障眼では網膜外層厚はあまり変化しないのに対し,網膜神経節細胞を含む網膜内層厚は減少していくため,この変化を捉えることは診断に有用である2)。現在,普及しているスペクトラルドメイン方式またはスウェプトソース方式の光干渉断層計(OCT)は黄斑部内層厚を選択的に測定することができる。最初に黄斑部内層厚の自動測定プログラムを搭載したRTVue-100(Optovue社)では,網膜神経線維層と神経節細胞層と内網状層の3層を合わせて神経節細胞複合体(ganglion cell complex:GCC)と呼称した。現在では,多くのOCTに黄斑部内層厚の測定プログラムが内蔵されているが,機種により測定範囲や測定する網膜層〔GCC厚測定や神経節細胞層+内網状層(GCIPL)の2層の測定など〕が異なる(図1)。ただし,機種の違いによる黄斑部内層厚の緑内障診断力には有意差がなかった3)。
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