特集 緑内障診療─この時どうする? ─
6 目が見えないと毎回訴えが強く落ち込みが激しい:対策は?
気賀沢 一輝
1
1杏林大学医学部眼科学教室
キーワード:
handle
,
nervous
,
depressive
,
glaucoma patients
,
difficulty seeing
Keyword:
handle
,
nervous
,
depressive
,
glaucoma patients
,
difficulty seeing
pp.339-344
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001617
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昔から緑内障気質というものがあるとされ,内外で研究論文もたくさん出ている。これらの論文からその気質の特徴を類推すると,不安,抑うつ,神経質,攻撃的といった性質が混在したもののようである。このような気質の人が緑内障になりやすいのか,緑内障という病気がこのような気質を形づくるのかはまだわかっていない。研修医のころ「あの人は典型的な緑内障気質だ」といわれている患者がいた。ある日,その患者が予約外で来院され,研修医の筆者が対応することになった。複数の点眼治療を受けている50代の男性で,眼圧は20mmHg前後で推移し,視野は中心部が残っていたが周辺部は大きく欠損していた。筆者が圧平眼圧計で測定して結果を伝えると,そんなはずはない,もっと低いはずだと言い張るのだった。何度測っても同じ結果が出たが,もっとベテランの医師に測定してもらいたいと言って外来の主任看護師に掛け合いに行ってしまった。このとき,筆者はこういう気質が緑内障気質というものなのかと思うと同時に,この患者に対して陰性感情を抱いた。
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