特集 眼瞼痙攣
序論
石川 均
1
1北里大学医療衛生学部 視覚機能療法学専攻
pp.101-102
発行日 2020年2月5日
Published Date 2020/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001541
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私が入局した1988年のある日,病棟の受け持ちに眼瞼痙攣で手術を待っている方がおられた。当時,わが国の眼科学で眼瞼痙攣(blepharospasm)という疾患,病名自体珍しかった記憶がある。幸い私は恩師である向野和雄先生が熱心に同分野の研究,診療,治療をされているのを目にすることができた。全例に眼輪筋の針筋電図を測定しておられ,患者さんは全国から来院されていた。また当時は,わが国ではボツリヌス治療は認められておらず,本特集で増田先生の述べておられる広範囲眼輪筋切除,もしくは眼輪筋楔型切除に眉毛上皮膚切除の同時手術を施行していた。患者さんのなかにはScott先生のもとへボツリヌス治療を希望されて,年に2,3回注射を受けにサンフランシスコまで通院されていた方すらおられた。
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