特集 頭痛と眼
序論
石川 均
1
1北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻
pp.1133-1133
発行日 2022年12月5日
Published Date 2022/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002891
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日々の外来で「目が痛い」と訴えて受診する患者は非常に多い。その原因は角結膜疾患や異物などの前眼部疾患が多く,その診察はまず細隙灯顕微鏡検査から始まる。しかし,角結膜に異常がなく,訴えも「眼を動かすと痛い,下を向くと痛い」といった,痛みの誘発,性状がまったく異なることもある。この場合は眼窩内,特に外眼筋の異常や視神経炎の周囲への炎症波及など,細隙灯顕微鏡では確認できない深部における疾患を考えるべきである。さらに忘れてはならないのは,急性上顎洞炎を主とする隣接の副鼻腔の炎症である。これらの確定には,血液検査やCT,MRIなどの画像検査が必要となる。上記の二者は一見まったく異なるように思われるが,何らかの方法で病巣が見つかる,器質的疾患であるという共通点がある。
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