特集 円錐角膜治療の最前線
序論
根岸 一乃
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.1135-1135
発行日 2021年12月5日
Published Date 2021/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002361
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円錐角膜は進行性に角膜中央部から傍中央部が菲薄化し前方突出することにより強度の近視性乱視と不正乱視が出現する疾患である。軽度の症例では自覚症状はほとんどない場合もあるが,中等度以上になると強い乱視と不正乱視のために眼鏡による矯正視力が不良となる。中等度以上の円錐角膜に対しては,ハードコンタクトレンズ装用,そしてハードコンタクトレンズによる視力矯正が困難,あるいは装用困難な症例には角膜移植が行われるのが標準治療となっている。しかし,近年のコンタクトレンズの改良ならびに外科的治療の発展により,病状に応じた治療の選択肢が増加している。治療は保存的治療と外科的治療に分けられ,保存的治療としては,コンタクトレンズ装用が挙げられ,屈折矯正を目的とする。外科的治療としては,主に進行予防を目的とした角膜クロスリンキングと屈折矯正を目的とする有水晶体眼内レンズ挿入術が挙げられる。
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