特集 複視
序論
石川 均
1
1北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻
pp.105-105
発行日 2021年2月5日
Published Date 2021/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002021
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日々の外来診察で複視を主訴に受診する方を少なからず診察されると思う。本特集にあるようにまず複視は単眼性と両眼性に分類される。単眼複視は角膜,水晶体を中心に,ときに網膜が原因で生ずることがほとんどで,眼科医が診断・治療を行う。一方,両眼性複視は外眼筋,脳神経,その接合部異常,ときに共同性斜視や眼振で生ずることがほとんどであり,眼科医の苦手分野かもしれない。さらに高次脳機能障害による単眼・両眼複視の訴えもあり,大変厄介である。このように複視の原因は多岐にわたり診察・検査に時間がかかることも多く,できれば避けて通りたい分野ではないだろうか。特に両眼性複視は斜視検査やHess赤緑試験等,日常の診療ではあまり用いないものも多く,知識,経験が豊富な視能訓練士の助けが必須でもある。
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