特集 黄斑萎縮の病態・原因・対応
6 黄斑萎縮眼のリハビリ(中心窩外固視訓練)
コンソルボ上田 朋子
1
1富山大学大学院医学薬学研究部眼科学講座
キーワード:
中心暗点
,
偏心視
,
偏心視域
,
眼底視野計
,
網膜感度
Keyword:
中心暗点
,
偏心視
,
偏心視域
,
眼底視野計
,
網膜感度
pp.1399-1403
発行日 2019年11月5日
Published Date 2019/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001447
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黄斑部が萎縮すると,視力の低下,中心暗点が生じる。中心暗点のある患者は見ようとするところに視線を向けると目標のものが見えない。そのため,あえて中心窩以外の網膜部位で視標を捉えるよう,視線をずらして見る偏心視が必要になる。遠方や中間距離の作業をするときには,自然と偏心視を利用していることも多いが,偏心視を獲得していない場合,読み書きといった近くの作業をするときに,大きな支障をきたす。偏心視を獲得しているかどうかは,視力検査時に患者を観察することで大まかに確認することができる。偏心視を獲得していない場合,視線をずらしていないか,視標を探してどこへ視線を動かせばよいか模索しており,視標を見つけるまでに時間がかかる。偏心視を獲得できていない人のなかには,スムーズに見えるようになるために,偏心視の訓練が功を奏することがある。訓練は,拡大読書器を使用する方法もある1)2)が,当院では,眼底を直接観察しながら視野測定ができる眼底視野計に付属したロービジョントレーニング機能を用いて偏心視訓練を行っている。眼底視野計で網膜感度を確認し,感度良好な網膜部位を使用するため,訓練に対する患者の理解が得られやすく,効果を患者自身が納得でき,偏心視獲得に有用である。
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