特集 網膜静脈閉塞症の最新のとらえ方
2.OCT angiographyによる虚血の評価
平野 佳男
1
,
小椋 祐一郎
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学
キーワード:
網膜静脈閉塞症
,
虚血
,
無灌流領域
,
網膜感度
,
OCT angiography
,
MP-3
Keyword:
網膜静脈閉塞症
,
虚血
,
無灌流領域
,
網膜感度
,
OCT angiography
,
MP-3
pp.1431-1437
発行日 2017年11月5日
Published Date 2017/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000204
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網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion:RVO)は,網膜静脈の灌流障害により,さまざまな網膜微小血管障害をきたす。毛細血管閉塞による虚血もそのひとつである。虚血部位は低酸素状態になり, 血管内皮増殖因子(vascular endothelialgrowth factor:VEGF)などが分泌される。VEGF には血管透過性亢進作用と血管新生作用があるため,黄斑浮腫や,毛細血管瘤,網膜新生血管を発生させ,視力低下をきたす。それゆえ,虚血の状態を評価することは,網膜静脈閉塞症の治療を考えるうえで非常に重要である。近年臨床応用された光干渉断層血管撮影(optical coherencetomography angiography:OCT angiography)は,造影剤を使用することなく網脈絡膜の血管構造を描出する新しい技術で,血流の認められない網膜無灌流領域(nonperfused area:NPA)を明瞭に同定することができる1)。またニデック社のマイクロペリメータ(MP-3)を用いると,眼底の局所部位の網膜感度を測定することができる。これら技術を組み合わせることで,眼底の局所部位の血液灌流状態と同部位の機能評価が可能になる。本稿では,その機能を使った網膜静脈閉塞症の虚血の評価について解説する。
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