特集 眼底視野計の進歩
3 網膜疾患と眼底視野計
馬場 隆之
1
1千葉大学大学院医学研究院眼科学
キーワード:
眼底視野計
,
MP-3
,
maia
,
固視点
,
糖尿病網膜症
,
加齢黄斑変性
Keyword:
眼底視野計
,
MP-3
,
maia
,
固視点
,
糖尿病網膜症
,
加齢黄斑変性
pp.583-589
発行日 2018年6月5日
Published Date 2018/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000684
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視機能の評価として最も一般的なものは視力検査である。一方,視野検査は視力検査とは異なる機能を測定するものである。すなわち視力検査は,二点弁別閾,解像度を検査するものであるのに対して,視野検査は光覚感度を調べるものである。視機能を総合的に評価するのであれば,両者を測定するべきであるが,視野検査は時間がかかることもあり限られた症例で測定されるのみである。眼底視野計はその視野検査を眼底像と重ね合わせることにより眼底の特定の部位の網膜感度を調べることができる装置である。眼底視野計により,形態として観察される網膜病変・網膜異常が,どのように視機能に影響を及ぼしているのか判断することができる。一見,ほぼ正常のように見える網膜でも,その部分の網膜感度が低下していることもある。病変が中心からずれていれば視力検査では正常な値が得られることもあり,眼底視野計検査を行えば中心視力だけでは評価できない視機能が評価できる。本稿では,この眼底視野計の有用性について具体例を中心に紹介したい。
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