特集 眼底視野計の進歩
1 日本の眼底視野計開発の歴史
三村 治
1
1兵庫医科大学神経眼科治療学講座
キーワード:
視野計
,
固視
,
眼底視野計
,
perimeter
,
fixation
,
fundus perimeter
Keyword:
視野計
,
固視
,
眼底視野計
,
perimeter
,
fixation
,
fundus perimeter
pp.569-574
発行日 2018年6月5日
Published Date 2018/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000682
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眼科の最も重要な自覚的検査としては,視力検査と並んで視野検査がある。通常の視野検査では被検者は常に網膜の同一部位(多くは中心窩)で固視標を固視していなければならない。しかし,被検者が患者の場合,オリエンテーションが不良であったり,そもそも黄斑中心窩に病変があり中心固視ができない場合もある。そのため視野検査では常に患者の固視を確認し続けていなければ,信頼できる結果を得ることはできない。その具体的な方法として,Goldmann視野計では検者側からの望遠鏡による固視監視が長く行われてきた。しかし,望遠鏡やTVモニタでの監視では微細な眼球運動を検出できず,視野計のスクリーン上で表示される刺激部位と実際の視標呈示部位が必ずしも同一部位とは限らない。そこで現在多くの自動視野計では,視野測定中にCCDカメラによりMariotte盲点に視標を何回か出して固視をチェックするHeijl-Krakau法などでの固視監視が行われている。しかし,眼科医ならやはり誰しも眼底の実際の像を見ながら視野(網膜感度)を測定したいと思うはずである。本稿では2000年までの文献をもとに,このアイデアを実際の臨床に応用しようと考えた眼科医の先達の業績を解説するとともに,そのなかに多くの日本の眼科医たちが含まれていたことを紹介したい。
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