特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅲ.緑内障
5 ROCK阻害薬
井上 俊洋
1
1熊本大学大学院生命科学研究部眼科学講座
キーワード:
緑内障
,
ガイドライン
Keyword:
緑内障
,
ガイドライン
pp.1066-1072
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001365
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ROCK (Rho-associated protein kinase)阻害薬の眼圧下降効果は,2001年に本庄(Honjo),谷原(Tanihara)らによって,世界で初めて報告された1)。それから10余年を経て,緑内障治療薬としてのROCK阻害薬は,2014年にわが国で発売されたリパスジルが最初である2)。それから遅れること4年,2018年には米国でROCK阻害作用を有するnetarsudilが緑内障治療薬として発売された。ただし,netarsudilの眼圧下降効果はROCK阻害だけではなく,ノルエピネフリントランスポーター阻害作用による房水産生抑制効果も寄与しているとされている3)。このように歴史的に新しい緑内障治療薬のカテゴリーであるROCK阻害薬であるが,既に広く普及しており,その臨床成績も数多く報告されている。本稿では,ROCK阻害薬の基礎から臨床成績までを概説する。
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