綜説
緑内障点眼薬の現状と今後の展望
本庄 恵
1
1東京大学医学部眼科学教室
キーワード:
緑内障
,
点眼薬
,
眼圧
,
ガイドライン
Keyword:
緑内障
,
点眼薬
,
眼圧
,
ガイドライン
pp.749-755
発行日 2022年8月5日
Published Date 2022/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002736
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緑内障は40歳以上の20人に1人以上が罹患する進行性の視神経症であり,適切に治療されなければ失明に至る重篤な視機能障害をもたらす疾患である。近年,緑内障の早期発見を可能にする検査機器,光干渉断層計(OCT)の普及により,初期緑内障,特に通常の視野検査で緑内障性視野障害を認めないが,緑内障性構造異常を示す前視野緑内障(preperimetric glaucoma:PPG)においても,薬物治療が検討されるようになった。若年齢から緑内障と診断を受ける患者も増えており,緑内障は生涯にわたる管理が必要な進行性の視神経症であることから,超高齢化社会を迎えているわが国では特に治療期間の長期化が見込まれる。緑内障は治療しても視機能の回復はないが,無治療の自然経過では確実に進行する疾患であることから,患者の視機能障害の進行を緩やかにし,患者の余命を考えて生涯にわたって視機能を維持することが治療の目標となる。
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