綜説
分層黄斑円孔と黄斑偽円孔のあたらしい捉え方━En face画像を用いた網膜牽引の評価と分類━
平野 雅幸
1
,
森實 祐基
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 眼科学講座
キーワード:
en face画像
,
分層黄斑円孔
,
黄斑偽円孔
,
網膜牽引
Keyword:
en face画像
,
分層黄斑円孔
,
黄斑偽円孔
,
網膜牽引
pp.387-395
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001129
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光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の登場により黄斑疾患の診断を従来よりも簡便かつ正確に行えるようになった。たとえば,黄斑円孔と黄斑偽円孔(macular pseudohole:MPH)の鑑別は,OCTがない時代には詳細な眼底観察を必要としたが,OCTを用いれば眼底を観察しなくても鑑別することが可能である。しかし一方で,OCTの進歩とともに,診断が困難になった黄斑疾患も存在する。たとえば,MPHと似た形態を示す分層黄斑円孔(lamellar macular hole:LMH)とMPHの鑑別については,OCTの解像度の向上とともに,これまで知られていなかった形態の多様性が明らかになり,両疾患の線引きが難しくなった。当然ながらこの状況はLMHやMPHの治療を考えるうえで問題となる。正しい疾患分類に基づいて適応を考え治療を行わなければ,治療成績を正しく評価することはできないからである。
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