特集 全身治療薬と眼障害
5 視神経障害
中澤 祐則
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 先進治療科学専攻感覚器病学講座 眼科学分野
キーワード:
副作用
,
薬剤性視神経症
,
エタンブトール
,
亜鉛
,
ミトコンドリア
,
ライソゾーム
Keyword:
副作用
,
薬剤性視神経症
,
エタンブトール
,
亜鉛
,
ミトコンドリア
,
ライソゾーム
pp.145-151
発行日 2019年2月5日
Published Date 2019/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001046
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日本で全身治療薬の副作用が注目されはじめたのは1950年頃からであり,ペニシリンによるアナフィラキシーショック,サリドマイドによる奇形,キノホルムによるSubacute Myelo-Optico-Neuropathy(SMON)などが有名である。今現在,「視神経障害をきたす全身治療薬といえば?」と問われれば,眼科医のほとんどは抗結核薬であるエタンブトールをまず思い浮かべるのではないだろうか。視神経障害をきたす薬剤としてエタンブトールが代表的であることは確かである。しかし視神経障害をきたす薬剤はほかにも抗生物質,抗腫瘍薬,経口避妊薬など多岐にわたって存在する。薬剤性視神経症と表現されるこれら薬剤による視神経障害は,原因薬剤によってさまざまな臨床症状や検査所見を呈する。しかし,下記のようにある程度共通する特徴を有していることが多い1)2)。
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