Japanese
English
特集 リハビリテーションとpharmacology
薬剤による神経障害
Movement Disorders induced by Drugs.
葛原 茂樹
1
Shigeki Kuzuhara
1
1三重大学神経内科
1Department of Neurology, Mie University School of Medicine
キーワード:
神経遮断薬
,
副作用
,
パーキンソニズム
,
不随意運動
,
運動失調症
Keyword:
神経遮断薬
,
副作用
,
パーキンソニズム
,
不随意運動
,
運動失調症
pp.1243-1248
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108521
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はじめに
薬物による神経障害1-3)は,その種類と患者数において驚くほど多いものである(表1).これらの多くは,医師や医療関係者,患者が副作用についての予備知識を持っていれば,発生を未然に防ぐことができるし,たとえ発症しても軽症の間に治療することができる.逆に,その知識がないと適切な治療が行われず,治療に時間がかかったり,重度の後遺症を残し,死の転帰をとることすらある.
薬物の神経系副作用は,急性症状として出現するものは比較的少なく,多くは慢性進行性の経過をとる.しかも,内臓諸臓器や造血器への副作用と異なり,通常の検査や画像所見には特別の異常を認めないことのほうが多い.したがって,その診断で重要なことは,患者や家族の訴えによく耳を傾け,症状をよく観察して,薬剤との関連について疑いを持つことである.
本項では,リハビリテーションと関係の深い運動障害や不随意運動を主徴とする薬剤性神経障害のなかで,重要なものについて述べる.
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