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第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
自己貪食空胞性ミオパチー:ダノン病とその類縁疾患
Autophagic vacuolar myopathy
――Danon disease and related myopathies
杉江 和馬
1
Kazuma SUGIE
1
1奈良県立医科大学脳神経内科学
キーワード:
ダノン病
,
過剰自己貪食を伴うX連鎖性ミオパチー(XMEA)
,
ライソゾーム関連膜タンパク2型(LAMP-2)
,
自己貪食空胞
,
ライソゾーム
Keyword:
ダノン病
,
過剰自己貪食を伴うX連鎖性ミオパチー(XMEA)
,
ライソゾーム関連膜タンパク2型(LAMP-2)
,
自己貪食空胞
,
ライソゾーム
pp.951-957
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28310951
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自己貪食空胞性ミオパチーは,ライソゾームの機能異常に起因する希少難治性筋疾患である.筋鞘膜タンパクの性質を有する特異な自己貪食空胞(AVSF)の出現を特徴とし,AVSFミオパチーともよばれる.代表疾患であるダノン病は,X連鎖性優性(顕性)遺伝疾患でライソゾーム関連膜タンパク2型(LAMP-2)の原発性欠損による.男性では心筋症,ミオパチー,精神遅滞を,女性では心筋症を呈する.死因の多くが心不全で,心筋症が予後決定因子であり,いまだ根本治療は心臓移植のみである.わが国では,これまでに約20家系が見出されている.最初の報告から40年,そして原因遺伝子が同定されて20年経ち,その後,各種モデル動物による研究が発展し,現在ようやくはじめての臨床試験が開始された.ダノン病の類縁疾患として,過剰自己貪食を伴うX連鎖性ミオパチー(XMEA)やその他の病型が見出されているが,依然として病態は不明なものが多い.
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