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Optical coherence tomography angiography(OCTA)は2012年にJiaらが開発した新しいOCT技術である1)2)。2018年現在4つの異なるアルゴリズムに基づくOCTAつまりsplit spectrum amplitude decorrelation angiography(SSADA),OCT-based microangiography(OMAG),OCTA ratio analysis(OCTARA)とspeckle variance OCTAが開発されて覇を競っている3)。最も早く開発されたのはSSADAであるが,これをはじめとしていずれのOCTAでも撮像スピードが大幅に上昇し,網膜─視神経の三次元的な構造を観察できるようになったことを利用し,interscan time (RTVueでは5ミリ秒)の間に同一部位で2つの画像を取り,その間に動いたもの(実際には赤血球)の信号をシグナルに変換して画像化することによって,造影剤を使用することなく血管を描出することができる。造影剤無しで血管を描出できるということは画期的な進歩であった。OCTAではOCTの特性を利用し,組織の任意の部位を取り出してその血管を解析できるので糖尿病網膜症,網膜静脈分枝閉塞症(BRVO),加齢黄斑変性などを扱う網膜領域での臨床および臨床研究に大きなインパクトを与えたが,緑内障の分野でも従来謎に包まれていた領域で新しい所見が得られている。本稿を執筆している2018年秋という時点は臨床的な論文が出始めた2015年からわずか3年であるが,既に膨大な数の論文が発表されているということ自体がこの技術の斬新さと汎用性を示すものであろう。
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