綜説
脈絡膜と緑内障
中倉 俊祐
1
,
木内 良明
2
1三栄会 ツカザキ病院眼科(姫路市)
2広島大学大学院視覚病態学講座
キーワード:
脈絡膜
,
緑内障
,
眼圧
,
光干渉断層計
Keyword:
脈絡膜
,
緑内障
,
眼圧
,
光干渉断層計
pp.935-941
発行日 2018年9月5日
Published Date 2018/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000780
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ほんの10年前まで,脈絡膜と緑内障というと濾過手術の合併症である脈絡膜剥離以外思い浮かばなかったはずである。我々は超音波画像診断装置(B-mode echo)でしかその形状を測定,推察できなかった。OCT(optical coherence tomography:光干渉断層計)の開発,特に深部強調画像EDI(enhanced depth imaging)-OCTが出現してからは精密な脈絡膜厚を測定できるようになった。多数の網膜疾患の病態解明に繋がった一方で,緑内障患者と脈絡膜厚との関係に明確な答えは出なかった。しかしながら近年開発されたOCT-angiography(OCTA)により,乳頭周囲脈絡網膜萎縮(parapapillary atrophy:PPA)内の脈絡膜毛細血管網の脱落が報告され,乳頭周囲の脈絡膜解析による緑内障のさらなる病態解析が進んでいる。今回の綜説では日常遭遇する脈絡膜剥離から,最新のOCTAや脈絡膜への眼圧下降を目指したデバイスの動向まで触れてみたい。
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