特集 緑内障診断のためのOCT読影
1 乳頭周囲網膜神経線維層の評価
山下 高明
1
1鹿児島大学病院眼科 診療講師
キーワード:
光干渉断層計(OCT)
,
網膜神経線維
,
緑内障
,
後部ぶどう腫
,
近視
,
アーチファクト
Keyword:
光干渉断層計(OCT)
,
網膜神経線維
,
緑内障
,
後部ぶどう腫
,
近視
,
アーチファクト
pp.3-8
発行日 2019年1月5日
Published Date 2019/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001012
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乳頭周囲網膜神経線維層は光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)が登場した当初から緑内障診断に用いられてきた。最初は視神経乳頭周囲のサークルスキャンで網膜神経線維層(RNFL)を評価していたが,最近は乳頭マップのように3次元画像から得られた視神経乳頭および周囲の網膜神経線維の厚みがカラーで表示されるまでに進歩した。眼底写真と視野に加えてOCT検査を行うことで,診断精度は大きく向上した。しかし,OCTでは標準的な眼である正常眼データベースと比較して緑内障診断を行うため,標準的な眼と異なる構造を持つ眼では誤って緑内障と判定されることがある1)。視神経乳頭周囲の眼球形状,神経線維走行は個人差が大きく,これを熟知することが緑内障の診断精度を向上させるために不可欠である。本稿では緑内障における乳頭周囲神経線維層の基本的な評価方法と,誤判定となりやすい眼の特徴について解説する。
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