眼瞼を診る
11.角膜フリクテンとマイボーム腺
溝口 晋
1
1和歌山県立医科大学附属病院紀北分院眼科
pp.841-843
発行日 2018年8月5日
Published Date 2018/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000752
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角膜フリクテンは角膜に結節性の細胞浸潤と表層性の角膜新生血管を認める疾患である。以前は,結核菌や黄色ブドウ球菌に対する遅延型アレルギー反応が原因と考えられていた1)。しかし近年,マイボーム腺の開口部周囲に発赤等の炎症所見を伴うマイボーム腺炎に,高い確率で角膜フリクテンが合併することが知られるようになってきた2)。それに伴い,角膜フリクテンは独立した疾患概念から,マイボーム腺炎に伴う眼表面疾患であるとの概念へと変化してきている。2000年には鈴木らにより,マイボーム腺炎角結膜上皮症(meibomitis-related keratoconjunctivitis)という新しい疾患概念が提唱され,現在では角膜フリクテンはマイボーム腺炎角結膜上皮症の一病型であるとの認識が広がっている3)。
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