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目的
タフルプロスト長期使用におけるマイボーム腺への影響を後ろ向きに検討する。
対象
2016年6月から2017年4月に済生会有田病院(和歌山県有田郡湯浅町)において緑内障治療をタフルプロスト単剤で行っている患者で3年以上継続使用群(A群,使用期間47.8±7.1か月)14例14眼と1年以上3年未満継続使用群(B群,使用期間25.9±6.1か月)11例11眼,年齢のマッチした未使用群(緑内障点眼開始前)9例9眼とした。年齢はA群79.6±9.1歳,B群75.6±12.8歳,未使用群72.9±9.9歳,眼圧はA群11.0±3.2mmHg,B群13.3±3.5mmHg,未使用群15.2±2.8mmHgであった。
方法
①A群,B群,未使用群で非接触型マイボグラフィ,マイボペンⓇ(ジャパンフォーカス)を用いてマイボーム腺構造を観察した。Aritaらのマイボーム腺の短縮・脱落の評価スコアであるマイボスコアを用いてスコアリングを行い,多変量解析で統計学的検討を行った。②PG製剤1年以上継続症例(A群+B群)でマイボスコアと年齢,マイボスコアとPG製剤点眼期間の相関関係についてそれぞれSpearman順位相関係数検定を用いて検討した。
結果
①マイボスコアはA群3.5±1.5点,B群3.6±1.1点,未使用群1.8±0.83点であり,A群とB群は未使用群に対してそれぞれ有意に高値であったが,A群とB群の間に統計学的有意差はなかった。②マイボスコアと年齢,マイボスコアとPG製剤点眼期間の間にそれぞれ有意な相関はみられなかった。
結論
タフルプロスト長期使用患者のマイボーム腺の器質的変化は1年以上使用していれば,その後の期間にかかわらず同程度であった可能性が示唆された。
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