特集 強度近視を治療する
強度近視を治療する−序論−
三村 治
1
1兵庫医科大学神経眼科治療学講座
pp.763-763
発行日 2018年8月5日
Published Date 2018/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000741
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視力障害をきたすような強度近視は,悪性近視,病的近視として古くから知られていたが,最近日本人をはじめとするアジア人でその比率が急増していることが明らかになっている。OCTやMRIなどの画像解析の進歩により,強度近視に伴うさまざまな眼合併症の病態の解明とともにその治療方法,手技も大きな進歩を遂げている。本特集では,強度近視による眼合併症のうち,最も視機能低下をきたす黄斑症の新生血管に対する抗VEGF治療の解説を群馬大学の向井 亮先生にお願いした。強度近視の黄斑のFA,IAの造影所見,OCT像所見をもとに最新の治療について述べていただいた。一方で,硝子体牽引が発症機序の主因をなす網膜剥離や黄斑円孔,さらには黄斑分離症についてはやはり硝子体手術が治療の主体となる。これについては豊富な手術経験を持つ大阪労災病院の坂東 肇先生に,実践的な手術手技とそのコツについてできる限り具体的に伝授していただいた。
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