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特集 眼疾患の一次予防と二次予防—眼疾患はどこまで予防可能か?
近視・強度近視の一次予防と二次予防
Primary and secondary prevention of myopia and pathologic myopia
長岡 奈都子
1
,
大野 京子
1
Natsuko Nagaoka
1
1東京医科歯科大学眼科学教室
pp.44-51
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212129
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はじめに
近視の有病率は世界的に増加傾向にある。特に日本や台湾,シンガポールを含む東南・東アジア地域において急増しており,欧米でも近年,近視の患者数は増加傾向にある。また,Holdenら1)のメタ解析では,全世界における近視有病率は2000年の22.9%から2050年には49.8%に増加すると予測されている。さらに,強度近視(病的近視)はわが国の主要な失明原因であり,平成17(2005)年度厚生労働省網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班の報告書2)では,視覚障害認定(等級6級以上)の原因疾患として,緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性症・黄斑変性症に次いで5番目の原因であった。また,失明原因(視覚障害等級1級)では,緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性に次いで4位であった。
近視および強度近視(病的近視)の予防は世界的に重要な課題であり,本稿では近年における疫学研究,臨床研究をもとに一次予防(表1)そして二次予防(表2)について述べる。
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