特集 強膜炎
3 ウイルス性強膜炎
加藤 久美子
1
1三重大学大学院医学系研究科眼科学
キーワード:
帯状疱疹ウイルス
,
単純ヘルペスウイルス
,
強膜炎
Keyword:
帯状疱疹ウイルス
,
単純ヘルペスウイルス
,
強膜炎
pp.681-688
発行日 2018年7月5日
Published Date 2018/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000714
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強膜炎の約1割が感染性の強膜炎で,そのうちの74%がヘルペスウイルス感染に起因すると報告されており1),感染性強膜炎ではヘルペスウイルスによるものが多い。ウイルス性強膜炎は,強膜や上強膜に直接感染が及んだり,角結膜のウイルス感染により,強膜や上強膜においてきわめて強い免疫応答が誘導されたりすることにより発症すると考えられている2)。しかしながら,強膜へのウイルス感染は一般に成立しにくいと考えられており,ウイルス血症のように,体内のウイルス量がきわめて多くなるような場合,あるいはウイルスが角膜炎やぶどう膜炎を引き起こしているような場合に強膜へのウイルス感染が成立すると考えられている。ヘルペス性強膜炎では,びまん性の強膜炎が一般的と考えられているが,結節性,壊死性あるいは後部強膜炎も報告されている3)。
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