症例報告
内頸動脈狭窄症に対する内膜剥離術後に糖尿病黄斑浮腫が増悪した1例
岡本 紀夫
1
,
濱本 亜裕美
2
,
中井 慶
2
1おかもと眼科(吹田市)
2淀川キリスト教病院眼科(大阪市)
キーワード:
内膜剥離術
,
糖尿病黄斑浮腫
,
内頸動脈狭窄
,
増悪
,
endarterectomy
,
diabetic macular edema
,
internal carotid stenosis
,
deterioration
Keyword:
内膜剥離術
,
糖尿病黄斑浮腫
,
内頸動脈狭窄
,
増悪
,
endarterectomy
,
diabetic macular edema
,
internal carotid stenosis
,
deterioration
pp.81-87
発行日 2020年1月5日
Published Date 2020/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001523
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症例は,53歳,男性。左眼の霧視を主訴に当院を受診した。左眼視力は0.04 (0.1p)。眼圧正常。細隙灯顕微鏡検査で両眼とも後嚢下白内障を認めた。眼底は両眼とも正常であった。白内障による視力低下と診断し淀川キリスト教病院眼科に紹介した。白内障手術前検査において糖尿病が見つかり,内科で内服治療が開始された。その時の眼底検査では糖尿病網膜症を認めなかった。白内障術後1か月で両眼に網膜出血,軟性白斑を認めたが,OCTでは黄斑浮腫はなかった。初診から約4年後,軟性白斑は消失していたがOCTで両眼とも軽度の黄斑浮腫を認めた。その6か月後に右眼の視力低下を自覚し当院を受診。視力は右眼(0.2)と低下し,OCTでは右眼の黄斑浮腫の悪化を認めた。1か月前に受けた右内頸動脈内膜剥離術後より右眼の視力低下を自覚したとのことであった。内頸動脈病変を伴った糖尿病黄斑浮腫は,内頸動脈内膜剥離術後の黄斑浮腫増悪に留意する必要がある。
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