臨床報告
網膜中心静脈閉塞症に網膜白濁を認めた1例
沼田 卓也
1
,
岡本 紀夫
1
,
青松 圭一
1
,
中尾 雄三
1
,
松本 長太
1
,
下村 嘉一
1
1近畿大学医学部眼科学教室
キーワード:
paracentral acute middle maculopathy
,
prominent middle-limiting membrane
,
網膜中心静脈閉塞症
,
網膜白濁
,
トリアムシノロンアセトニド
,
Tenon嚢下注射
Keyword:
paracentral acute middle maculopathy
,
prominent middle-limiting membrane
,
網膜中心静脈閉塞症
,
網膜白濁
,
トリアムシノロンアセトニド
,
Tenon嚢下注射
pp.421-426
発行日 2018年4月5日
Published Date 2018/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000635
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目的
網膜中心静脈閉塞症に網膜白濁を発症し,視力予後が良好であった1例を経験した。
症例
64歳,男性。主訴は右眼の視力低下。初診時視力(0.03)。網膜静脈の蛇行,拡張と視神経乳頭の発赤,下耳側に網膜の白濁を認めた。光干渉断層計では網膜浮腫と白濁に一致した斑な高反射を認めた。
結果
バイアスピリン内服とトリアムシノロンアセトニドのTenon嚢下注射を施行したところ,速やかに網膜浮腫は改善され網膜白濁も消失した。8か月後,視力は(1.0)に回復した。
結論
網膜中心静脈閉塞症に網膜白濁を合併した1例を経験した。通常,網膜中心静脈閉塞症に網膜動脈閉塞症を合併すると視力予後は不良であることが多い。本症例はトリアムシノロンアセトニドのTenon嚢下注射後に軽快していることから乳頭血管炎に伴う網膜白濁と診断した。
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