Ⅶ.網膜硝子体
9.黄斑浮腫を伴う網膜中心静脈閉塞症
村岡 勇貴
1
1京都大学大学院医学研究科 感覚運動系外科学 眼科学
キーワード:
網膜中心静脈閉塞症
,
黄斑浮腫
,
硝子体出血
,
血管新生緑内障
Keyword:
網膜中心静脈閉塞症
,
黄斑浮腫
,
硝子体出血
,
血管新生緑内障
pp.1265-1268
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001891
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急性期の網膜中心静脈閉塞症(central retinal vein occlusion:CRVO)では黄斑浮腫を伴い視力低下をきたしていることが多いが,近年使用可能となった抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)治療を早期に導入することで,黄斑浮腫の速やかな吸収とともに視力改善が期待できるようになってきている。しかし,抗VEGF治療は,CRVOの病因を根本的に改善させているわけではないため,黄斑浮腫はしばしば再発性であり,抗VEGF薬の追加注射がその都度必要となることが多い。
網膜虚血が広範囲に認められるいわゆる虚血型のCRVOの場合には,網膜新生血管の発生から将来的に硝子体出血をきたし著しい視力低下に至ることがあるほか,虹彩新生血管(ルベオーシス)の発生から血管新生緑内障を併発し重篤な視機能障害をきたすことがあり,このように網膜循環動態が不良と考えられるケースにおいては,血管新生関連合併症の可能性に留意したマネージメントが重要である。
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