私の経験
切迫型網膜中心静脈閉塞症にoptociliary veinとバイパス血管を認めた1例
岡本 紀夫
1
,
木坊子 展生
2
,
中井 慶
2
1おかもと眼科(大阪府)
2淀川キリスト教病院眼科(大阪府)
キーワード:
切迫型網膜中心静脈閉塞症
,
エンハンスIR
,
optociliary vein
Keyword:
切迫型網膜中心静脈閉塞症
,
エンハンスIR
,
optociliary vein
pp.1535-1542
発行日 2024年11月5日
Published Date 2024/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003944
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症例は77歳男性。左眼のかすみを訴え受診した。切迫型網膜中心静脈閉塞症(切迫型CRVO)に嚢胞様黄斑浮腫を認めたことから抗VEGF薬硝子体内投与を施行した。切迫型CRVO発症8か月後には嚢胞様黄斑浮腫は消失していた。眼底検査では視神経乳頭上方と下方にループ様の血管が形成されていた。切迫型CRVO発症1年3か月後にCRVOを再発した。切迫型CRVO発症4年4か月後には,視神経乳頭上方はoptociliary veinとなり,下方はバイパス血管が完成されていた。網膜の蛇行,拡張は改善され,嚢胞様黄斑浮腫は消失し視力は矯正1.2と良好な結果であった。網膜循環の改善にはoptociliary veinとバイパス血管の形成が関与し,嚢胞様黄斑浮腫は計7回の抗VEGF薬硝子体内投与により改善したと考えられた。
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