特集 難治性神経眼科疾患の治療を考える
2.遺伝性視神経症
石川 裕人
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
遺伝性視神経症
,
Leber 遺伝性視神経症
,
優性遺伝性視神経萎縮
,
イデベノン
,
遺伝子治療
Keyword:
遺伝性視神経症
,
Leber 遺伝性視神経症
,
優性遺伝性視神経萎縮
,
イデベノン
,
遺伝子治療
pp.117-120
発行日 2018年2月5日
Published Date 2018/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000562
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
遺伝性視神経症にはLeber 遺伝性視神経症(Leber hereditary optic neuropathy:LHON)と優性遺伝性視神経萎縮(dominant optic atrophy:DOA)が代表的な疾患として挙げられる。これらの遺伝性視神経症はいずれも細胞内小器官ミトコンドリアの機能不全が原因となって視神経障害を発症すると考えられており,現在ではミトコンドリア視神経症とも呼ばれる。LHON とDOA について,本邦において治療法がないとされてきたわけであるが,近年ヨーロッパにおいて,LHON に対するCoenzyme Q10 誘導体であるイデベノンの有効性が証明され,またDOA に対してもイデベノンを用いた臨床研究が行われその有効性が示唆された。本稿では,LHON,DOA に対してのイデベノン大量投与療法の現状と本邦における試みについて述べるとともに,昨今欧米で試みられている遺伝子治療についても紹介する。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.