症例
MRIにて皮質病変と同時に視床枕病変を認め、その後一過性脳梁膨大部病変を認めたEpstein-Barr virus脳炎の1例
中村 優子
1
,
安藤 久美子
,
河中 祐介
,
五十嵐 陽子
,
勝浦 尭之
,
若田 ゆき
,
山門 亨一郎
,
石藏 礼一
,
廣田 省三
1兵庫医科大学 放射線医学教室
キーワード:
Aciclovir
,
ヒトヘルペスウイルス4型
,
PCR法
,
Prednisolone
,
ミオクローヌス
,
抗細菌剤
,
MRI
,
大脳皮質
,
多剤併用療法
,
脳梁
,
脳炎-ウイルス性
,
Epstein-Barrウイルス感染症
,
視床枕
Keyword:
Acyclovir
,
Anti-Bacterial Agents
,
Cerebral Cortex
,
Drug Therapy, Combination
,
Herpesvirus 4, Human
,
Corpus Callosum
,
Myoclonus
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Prednisolone
,
Polymerase Chain Reaction
,
Encephalitis, Viral
,
Epstein-Barr Virus Infections
,
Pulvinar
pp.563-566
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017248429
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症例は20歳代男性で、パソコンをみている際に目の前が虹色にみえ、その後30分間の意識消失発作と痙攣発作が出現した。40度の発熱を認め、精査のため初回痙攣発症から11日目に入院となった。クローン病に対して結腸全摘術を施行後、6年前からインフリキシマブで治療中である。抗EBNA抗体10倍、抗EBVCA-IgG抗体40倍と抗体価上昇を認め、抗EBVCA-IgMは10倍以下で、Epstein-Barr Virus(EBV)の既感染パターンと考えられた。細菌性またはウイルス髄膜炎を疑い、抗生剤、プレドニゾロンおよびアシクロビルを投与した。翌日より発熱は軽快し、顔面の感覚低下や視野障害、ミオクローヌスは軽快した。入院10日後の髄液PCRでEBV-DNAを検出し、EBV脳炎と診断した。1ヵ月後の退院時、左同名半盲は軽快し、わずかに左下1/8盲が残存した。入院時の頭部MRI T2強調画像およびFLAIR画像で右側頭後頭葉皮質から皮質下白質、右島皮質に高信号域を認め、同時に右視床枕にも高信号域を認めた。発症6ヵ月後のMRIでは脳梁膨大部病変は消失し、右視床枕病変はFLAIR画像でわずかに高信号域が残存するのみとなった。
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