発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107285
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30歳男。血友病Aに使用した非加熱血液製剤でHIV(human immunodeficiency virus)に感染したが無治療で病状は安定していた。39℃台の発熱後に倦怠感が持続し、歯性上顎洞炎での血液検査で肝機能障害、異型リンパ球の出現を認め当科受診となった。扁桃腫大、両側頸部に5~10mm前後の数個のリンパ節を触知し、顔面に淡い紅潮と体幹にわずかな丘疹を認めた。白血球数は増加して71%が異型リンパ球で、軽度の肝機能障害を認めた。EBV(Epstein-Barr virus)の関連抗体検査より初感染が示唆され、頸部CTでリンパ節の腫大を認めEBV初感染による伝染性単核症と診断した。自然経過で症状、血液検査所見は改善したが、HIV-RNA量はEBV感染後一時的に1.4×10^5コピー/mlに急増し、CD4陽性細胞数は減少傾向を示した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010