特集 PET・SPECT 核医学update
症例
高度のFDG集積を認めた骨化性筋炎の1例
西島 紀子
1
,
菅原 敬文
,
梶原 誠
,
只信 美紀
,
酒井 伸也
,
杉原 進介
,
高畑 浩之
1国立病院機構四国がんセンター 放射線診断科
キーワード:
Thallium Radioisotopes
,
筋炎-骨化性
,
MRI
,
X線CT
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
前腕筋
,
陽電子放射型断層撮影
,
マルチモーダルイメージング
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Myositis Ossificans
,
Thallium Radioisotopes
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
,
Multimodal Imaging
pp.735-739
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016286256
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症例は30歳代後半女性で、3週間前より右前腕に痛みが出現した。保存的に加療したが腫脹と疼痛が持続した。MRIでは右前腕遠位橈側に紡錘形腫瘤を認め、T2強調像で軽度高信号を呈した。2回目のMRIでは腫瘤は軽度増大し、周囲筋肉にも浮腫と思われるT2強調像で高信号を呈する領域が拡大していた。造影CTでは、右前腕の腫瘤周囲にリング状の淡い造影効果を認めた。タリウムシンチでは、右前腕の腫瘤部に早期相にて強い集積を認めたが、後期相では集積が低下した。タリウムシンチの5日後に生検を施行し、迅速標本では悪性の疑いであった。FDG-PET/CTを施行し、右前腕部の腫瘤部には強いFDG集積を認めた。CTでは腫瘤辺縁優位に強い石灰化を認め、椀骨内側の一部に接してspicula様の骨膜反応を伴った。生検組織の迅速標本、FDG-PET/CTのいずれも骨肉腫と鑑別困難な所見であったが、永久標本では骨化性筋炎の診断であった。発症4週後と7週後に撮影された単純写真では、右前腕部の橈骨周囲に淡い層状石灰化が経過で進行明瞭化していた。
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