症例
診断に苦慮した頸長筋の骨化性筋炎の1例
西森 美貴
1
,
野上 宗伸
,
青山 信隆
,
田所 導子
,
濱田 典彦
,
久保田 敬
,
山上 卓士
1高知大学医学部附属病院 放射線科
キーワード:
筋炎-骨化性
,
MRI
,
生検
,
X線CT
,
陽電子放射型断層撮影
,
マルチモーダルイメージング
,
頸長筋
Keyword:
Biopsy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Myositis Ossificans
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Positron-Emission Tomography
,
Multimodal Imaging
pp.463-469
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016250381
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症例は10歳代女性で、左頸部痛、頸部腫脹で前医にて石灰沈着性頸長筋炎としてステロイド加療を受けたが、腫脹の増大で紹介受診した。左頸部回旋不能、左胸鎖乳突筋の頭側周囲に強い圧痛、弾性硬の腫脹を認めた。造影CTで第3頸椎レベルの左側の椎周囲間隙椎前部に左内頸静脈を外方に圧排する3cmの不整形陰影を認め、辺縁優位に層状の石灰化が第3頸椎と接していた。MRIでは同部位に20×33×22mmのT1強調で低信号、T2強調で高信号を呈する腫瘤を認め、辺縁にT1、T2強調とも低信号の被膜様構造を認めた。PET-CTでは腫瘤に一致して強い集積を認めた。全身麻酔下の生検で、腫瘤辺縁部に骨形成、腫瘤中心方向に次第に紡錘形細胞の増生による層状構造を認め、骨化性筋炎と診断した。2ヵ月後のCTで腫瘤の縮小を認めた。患者希望で全摘術が予定されたが、3ヵ月後のMRIでさらに腫瘍の縮小を認めて経過観察とした。
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