特集 PET・SPECT 核医学update
診療
心房細動と洞調律の左室拡張様式の比較 半導体SPECTによる検討
清水 雅人
1
,
藤井 洋之
,
山分 規義
,
西崎 光弘
1横浜南共済病院 循環器内科
キーワード:
一回拍出量
,
心房細動
,
洞結節
,
ロジスティックモデル
,
ROC曲線
,
左心室機能障害
,
マッチドペア分析
,
心電図同期SPECT
,
Thallium Chloride
,
洞性調律
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Sinoatrial Node
,
ROC Curve
,
Stroke Volume
,
Logistic Models
,
Matched-Pair Analysis
,
Ventricular Dysfunction, Left
,
Cardiac-Gated Single-Photon Emission Computer-Assisted Tomography
,
Thallium Chloride
pp.693-701
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016286252
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心房細動と洞調律の左室拡張様式について半導体SPECTにより検討した。201TlClを用いた心臓同期定量SPECTを施行した心房細動患者122例(AF群)及び、EFと年齢を1:1でマッチさせた洞調律患者122例(SR群)を抽出して比較検討した。心不全の既往はAF群で有意に多く、SPECT施行時の心電図では、心房細動群では心拍数が有意に高く、QRS幅は狭く、QTcは有意に短かった。左室リモデリングの指標は、心房細動群のほうが離心率が低かった。左室拡張能の指標は、AF群ではPFRがSR群に比べて有意に大きく、かつTTPF/RRはAF群で有意に短かった。心房細動群を目的変数とした多変量解析の結果、心拍数、離心率、PFR、TTPF/RRの四つが独立かつ有意に心房細動群を示した。これらの4変数においてROC曲線解析を行い、PFRはcut-off値2.54EDV/sで高い特異度とやや低い感度と高いArea under ROCで心房細動群を示した。収縮機能低下の影響を除外するためにEF>60%群に対象を限定すると、さらに高いAUROCとなり、特異度も改善した。
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