不整脈の治療は新時代に-一般臨床医が主役の新しい心房細動診療
《心房細動の治療はどうすべきか》 心不全を合併した心房細動の治療 薬物治療と非薬物治療
新田 順一
1
1さいたま赤十字病院 循環器科
キーワード:
抗不整脈剤
,
心不全
,
心房細動
,
洞結節
,
カテーテル切除術
,
洞性調律
Keyword:
Anti-Arrhythmia Agents
,
Atrial Fibrillation
,
Heart Failure
,
Sinoatrial Node
,
Catheter Ablation
pp.34-37
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012118542
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・心不全を合併した心房細動の治療で第一に重要なことは、脳梗塞や全身性塞栓症の発症を予防するために抗凝固療法を併用することである。・心不全を合併した心房細動に対する薬物治療において、海外の大規模試験では洞調律を維持する治療(リズムコントロール)と心房細動のまま心拍数を制御する治療(レートコンロール)で生存率に変わりがないことが報告された。しかし、症例によってはリズムコントロールによって症状やQOLが劇的に改善することも多く、発作性や慢性化して数年以内の心房細動であれば、抗心不全作用も期待できるamiodaroneが薬物治療として第一選択となる。また、カテーテルアブレーションの進歩も目覚ましく非薬物治療でのリズムコントロールも適応を選べば今後第一選択になる可能性がある。・心不全を合併した心房細動に対する非薬物治療において、房室結節焼灼により完全房室ブロックを作成し両室ペーシングを行うレートコントロールよりもカテーテルアブレーションによるリズムコントロールの有効性がより高いことが報告されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2012