特集 血管炎・血行障害
複視を呈した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
松村 裕
1
,
沖山 奈緒子
,
吉岡 華子
,
加倉井 真樹
,
藤本 学
1筑波大学 医学医療系皮膚科
キーワード:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
Prednisolone
,
下腿
,
逆行変性
,
血小板増加症
,
膝関節
,
紫斑病
,
体重減少
,
皮膚疾患-足部
,
複視
,
リウマトイド因子
,
関節痛
,
眼球運動測定
,
上転筋複合麻痺
,
神経伝導速度
Keyword:
Diplopia
,
Foot Dermatoses
,
Knee Joint
,
Leg
,
Purpura
,
Prednisolone
,
Rheumatoid Factor
,
Retrograde Degeneration
,
Thrombocytosis
,
Churg-Strauss Syndrome
,
Weight Loss
,
Arthralgia
,
Eye Movement Measurements
pp.565-568
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017237888
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77歳男。8日前から発熱、下腿点状紫斑、下肢脱力、複視が出現した。気管支喘息、慢性副鼻腔炎の既往あり。紫斑の病理組織学的所見は真皮上層の好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎であった。四肢感覚・運動神経の末梢神経伝達速度検査で軸索変性所見、眼球運動検査で左眼上転障害を認めた。3週間で4.4kgの体重減少、血小板数増多、関節痛があり、リウマトイド因子陽性だが、末梢血中好酸球数や血清IgEは正常で、抗好中球細胞質抗体陰性であり、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断した。プレドニゾロン(PSL)25mg/日内服で複視を含め紫斑・神経症状は速やかに改善した。その後PSLを20mg/日まで漸減し、症状の再燃なく経過している。
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