発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016241335
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症例は79歳男性で、約50年前から気管支喘息で治療していた。5年6ヵ月前からプランルカストの投与と、さらにブデソニドからフルチカゾン/サルメテロール配合剤の吸入に変更となった。1週間前から、指示されていたプレドニゾロンを内服しても、労作時呼吸困難を自覚し、咳嗽、喀痰、発熱もあり、また、同時期から左足のしびれを自覚した。気管支喘息の急性増悪が考えられ、入院となった。米国リウマチ学会におけるChurg-Strauss症候群(CSS)の分類基準の6項目、即ち気管支喘息、末梢血好酸球増多、単神経障害あるいは多発神経炎、副鼻腔の異常、生検所見で血管周囲の好酸球浸潤のうち4項目以上でCSSと判定できるため、CSS即ち好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と診断した。好酸球数はプレドニゾロンの増量で速やかに改善した。左足関節と足趾の背屈筋力は改善したが、しびれは残存した。第22病日に退院となり、以後慎重にプレドニゾロンを漸減予定である。
©Nankodo Co., Ltd., 2016