症例
高齢者片側上肢に発症した結核性蜂窩織炎の1例
今村 真也
1
,
足立 厚子
,
干谷 奈穂
,
白井 成鎬
,
山本 篤志
,
井上 友介
,
河野 祐子
,
荒木 徹也
1兵庫県立加古川医療センター 皮膚科
キーワード:
Ethambutol
,
Isoniazid
,
Rifampicin
,
結核-皮膚
,
上肢
,
生検
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
蜂巣炎
,
細菌培養
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Cellulitis
,
Drug Therapy, Combination
,
Ethambutol
,
Isoniazid
,
Rifampin
,
Tuberculosis, Cutaneous
,
Upper Extremity
pp.2021-2025
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017129398
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88歳女性。既往として28歳時に肺結核、85歳時に脳出血後の左不全麻痺があった。今回、2ヵ月前より麻痺側の左上肢に発赤腫脹が出現し近医を受診、抗菌薬内服を受けるも無効であったため紹介となった。初診時、左上肢全体に腫脹と紅斑が散在し、周囲には紅暈と軽度の皮下結節を伴う1cm大の皮膚潰瘍を数個認めた。胸部CTでは陳旧性の結核性胸膜炎が疑われたが、喀痰、胸水抗酸菌培養は陰性であった。皮膚生検では乾酪性肉芽腫を認め、同部の結核菌PCR法は陰性であったが、5週間後の培養検査では結核菌が同定された。結核性蜂窩織炎の臨床像を呈したことより、左上肢真正皮膚結核と診断された。イソジアニド、リファンピシン、エタンブトールの3剤併用療法を開始した結果、2ヵ月後には左上肢の腫脹が改善し、治療開始9ヵ月で内服投与を終了した。
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