症例
Aquagenic Wrinkling of the Palms 自転車のハンドルグリップ刺激が誘因と考えられた1例と本邦報告例のまとめ
江川 清文
1
1天草皮ふ科・内科
キーワード:
Heparinoids
,
角化症
,
浸漬
,
多剤併用療法
,
経皮投与
,
皮膚疾患-手部
,
Maxacalcitol
,
自転車
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Drug Therapy, Combination
,
Hand Dermatoses
,
Immersion
,
Heparinoids
,
Keratosis
,
Maxacalcitol
pp.1979-1984
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017129388
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15歳男児。両手掌の湿疹様変化と入浴時の一過性白色浸軟化を主訴に受診となった。初診時、両手掌および手指腹側の皮膚に、軽微な鱗屑を伴う表面粗そうで軽度角化性の変化が認められた。変化は両手掌の小指球部部から小指腹側にかけて特に顕著であり、問診により自転車のハンドルグリップを強くつかむ部分に一致することが明らかになった。浸水試験では両手掌および手指腹側の角化性変化を認める部位に特に強く、hand in the bucket徴候とよばれる白色浸軟化がみられたことから、Aquagenic Wrinkling of the Palms(AWP)と最終診断された。治療は自転車のハンドルグリップ刺激が原因となっている可能性を説明して注意を喚起するとともに、皮膚の角化性変化に対してはヘパリン類似物質ローションとマキサカルシトール軟膏の外用療法を行ったところ、2ヵ月後には皮膚症状の改善傾向がみられた。
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