症例
Watermelon Stomachを伴った抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性全身性強皮症の1例
馬場 淳徳
1
,
藤井 一恭
,
勝江 浩未
,
多田 浩一
,
金蔵 拓郎
1鹿児島大学 皮膚科学教室
キーワード:
Omeprazole
,
RNA Polymerase III
,
強皮症-全身性
,
食道炎-逆流性
,
鉄
,
経口投与
,
消化器系内視鏡法
,
胃前庭部毛細血管拡張症
,
アルゴンプラズマ凝固
,
貧血-小球性低色素性
Keyword:
Administration, Oral
,
Esophagitis, Peptic
,
Omeprazole
,
Scleroderma, Systemic
,
RNA Polymerase III
,
Endoscopy, Digestive System
,
Gastric Antral Vascular Ectasia
,
Argon Plasma Coagulation
,
Anemia, Hypochromic Microcytic
,
Iron
pp.1724-1727
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077895
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41歳女性。上下肢の皮膚硬化、Raynaud症状を主訴に著者らの施設へ受診となった。初診時、抗核抗体640倍、抗RNAポリメラーゼIII抗体が陽性であったことから、全身性強皮症と診断された。上部消化管内視鏡では逆流性食道炎、胃前庭部に軽度の毛細血管拡張が認められた。皮膚硬化は落ち着いていたため経過観察とし、逆流性食道炎に対してオメプラゾールの内服を開始した。診断後1年2ヵ月の検査で貧血を認め、内視鏡にて胃前庭部にみられた毛細血管は放射状に拡大し、出血を伴っていた。このことから本症例は全身強皮症に合併したWatermelon Stomachの診断に至った。拡張した胃前庭部毛細血管に対しアルゴンプラズマ凝固療法による焼灼を行い、鉄剤の内服を開始したところ、貧血は改善した。
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