消化管出血に対する診療-JGESガイドラインをふまえて
静脈瘤、消化性潰瘍以外の上部消化管出血に対するアプローチ
角嶋 直美
1
,
滝沢 耕平
,
田中 雅樹
,
川田 登
,
吉田 将雄
,
小野 裕之
1静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科
キーワード:
Mallory-Weiss症候群
,
消化管出血
,
消化性潰瘍
,
静脈瘤
,
内視鏡的止血
,
出血-術後
,
胃前庭部毛細血管拡張症
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
アルゴンプラズマ凝固
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Mallory-Weiss Syndrome
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Peptic Ulcer
,
Varicose Veins
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Postoperative Hemorrhage
,
Gastric Antral Vascular Ectasia
,
Argon Plasma Coagulation
pp.315-320
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017145699
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静脈瘤,消化性潰瘍以外の上部消化管出血として重要なのは,Mallory-Weiss症候群,および内視鏡処置後出血である.クリップ止血法は,ピンポイント止血のみでなく創の縫縮も可能であり,Mallory-Weiss症候群の止血に有用である.内視鏡処置後出血に対する止血は,止血鉗子による止血術のほか,クリップ止血が有用である.早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術は増加しており,その後出血予防には,切除後潰瘍に残存する血管の予防処置を行い,酸分泌抑制薬の投与を行うことが推奨される.一方,慢性貧血の原因となるgastric antral vascular ectasiaでは,広く浅く凝固止血が可能なアルゴンプラズマ凝固(APC)法が有用である.患者の背景や病態を速やかに把握し,最適な止血術を選択することが重要である.
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