症例
伝染性単核症を契機にガレノキサシンに薬剤感受性を獲得した1例
八木 夏希
1
,
中尾 将治
,
筒井 清広
,
竹田 康夫
1石川県立中央病院 皮膚科
キーワード:
Betamethasone
,
Histamine Antagonists
,
多剤併用療法
,
伝染性単核球症
,
Garenoxacin
,
静脈内注射
,
内服誘発試験
,
薬剤リンパ球刺激試験
Keyword:
Betamethasone
,
Drug Therapy, Combination
,
Injections, Intravenous
,
Histamine Antagonists
,
Infectious Mononucleosis
,
Garenoxacin
pp.1569-1572
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016404571
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
25歳男。12日前から40℃の発熱、扁桃腫大を認め、前医にて扁桃腺炎に対しガレノキサシン、ロキソプロフェンナトリウム、トラネキサム酸が処方された。6日前から頸部リンパ節腫脹、眼球結膜充血を伴い、その後全身にそう痒を伴う紅斑が多発・癒合した。Steven-Johnson症候群の疑いで紹介となった。異型リンパ球の出現、肝機能障害を認め、EBウイルス抗体価は初感染パターンを示し、伝染性単核症と診断した。薬剤を中止し、高熱に対しベタメタゾン8mg/日静注、抗ヒスタミン薬を開始したところ、速やかに解熱し、皮疹は消退した。薬剤投与により皮疹が誘発された可能性があったため、退院7ヵ月後にガレノキサシン、ロキソプロフェンナトリウム、トラネキサム酸に対して薬剤リンパ球刺激試験、内服誘発試験を施行したところ、ガレノキサシンが陽性であった。ガレノキサシンが皮疹の誘発に関与し、EBウイルス感染を契機にガレノキサシンに薬剤感受性を獲得したと考えられた。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.